III 保険料について

1. 保険料の基本的な枠組み

後期高齢者医療制度では、保険料は概ね2年を通じて財政の均衡を保つことができるものと定められています。

*保険料の計算方法

保険料は、被保険者全員に等しく負担していただく「被保険者均等割額」と、所得に応じて負担していただく「所得割額」を合計して、被保険者個人ごとに算定します。

保険料の計算方法

※ 賦課基準額とは、総所得金額(公的年金等控除や給与所得控除、事業所得の経費を控除した額)、山林所得金額、土地等の譲渡にかかる所得から、基礎控除額(33万円)を引いた所得金額です。

*保険料の賦課限度額

賦課限度額は、平成30年4月1日から62万円になりました。所得の多い方でも、年間62万円が上限となります。

*平成30・31年度の保険料率

このたび平成30・31年度の保険料率を現行のまま据え置くことに決定しました。今後も医療費は増加すると見込まれますが、剰余金等を活用することで保険料上昇の抑制を図っています。

 

低所得者や被用者保険の被扶養者だった方については、軽減措置が設けられ、軽減分は公費で負担されることになっています。

 

2. 保険料の軽減

(1)被保険者均等割額の軽減

同一世帯内の被保険者および世帯主の総所得金額等に応じて、被保険者均等割額が次のとおり軽減されます。

※平成30年度から、均等割の5割軽減と2割軽減における所得基準が拡大されました。

※公的年金を受給されている方は、所得から15万円を控除した額で判定します。

 

(2)被用者保険の被扶養者だった方

後期高齢者医療制度に加入する前日まで被用者保険の被扶養者だった方は、均等割額が5割軽減され、所得割額は課せられません。

※被用者保険の被扶養者とは、全国健康保険協会管掌健康保険や健康保険組合、共済組合などの扶養家族のことです。国民健康保険や国民健康保険組合に加入されていた方は除きます。

*軽減が重複したとき

被用者保険の被扶養者だった方で、かつ所得の低い方に対する均等割額の軽減にも該当するときは、軽減割合の高いほうが優先されます。

 

3. 保険料のイメージ図(年金収入のみの場合)

夫婦世帯における夫の例(妻の年金収入が80万円以下の場合)

 

4. 保険料の計算例

(1)単身世帯で、年金収入が79万円の場合

均等割額 4,049円(9割軽減)

所得割額   0円

保険料(年額) 4,040円(10円未満切捨て)

(2)単身世帯で、年金収入が201万円の場合

均等割額 32,392円(2割軽減)

所得割額 {201万円-120万円(年金控除)-33万円(基礎控除)}×7.86%=37,728円

保険料(年額) 32,392円+37,728円=70,120円(10円未満切捨て)

(3)夫婦2人世帯で、夫婦とも年金収入が79万円の場合

夫:均等割額 4,049円(9割軽減)

所得割額   0円

保険料(年額) 4,040円(10円未満切捨て)

妻:均等割額 4,049円(9割軽減)

所得割額    0円

保険料(年額) 4,040円(10円未満切捨て)

(4)夫婦2人世帯で、年金収入が 夫は280万円、妻は79万円の場合

夫:均等割額 40,490円(軽減なし)

所得割額 {280万円-120万円(年金控除)-33万円(基礎控除)}
×7.86%=99,822円

保険料(年額) 40,490円+99,822円=140,310円(10円未満切捨て)

妻:均等割額 40,490円(軽減なし)

所得割額    0円

保険料(年額) 40,490円

(5)夫婦と子の3人世帯。夫婦とも年金収入が79万円、子(世帯主)は国保加入者で所得が390万円の場合

夫:均等割額 40,490円(軽減なし)

所得割額   0円

保険料(年額) 40,490円

妻:均等割額 40,490円(軽減なし)

所得割額    0円

保険料(年額) 40,490円

(6)親子2人世帯。親は元被用者保険(社会保険)の被扶養者で、子(世帯主)は被用者保険に加入し、年収が420万円の場合

均等割額 20,245円(5割軽減)

所得割額 被用者保険の被扶養者だったため、かかりません。

保険料(年額) 20,240円(10円未満切捨て)

(7)年金収入が300万円、不動産所得が700万円の場合

均等割額 40,490円(軽減なし)

所得割額 {300万円-120万円(年金控除)+700万円-33万円(基礎控除)}×7.86%=665,742円

保険料(年額) 40,490円+665,742円=706,232円⇒620,000円(保険料の賦課限度額)

 

5. 保険料の納め方

保険料は、被保険者一人ひとりに納めていただきます。受給している年金の種類や受給額によって普通徴収と特別徴収の2通りに分かれます。

(1)普通徴収

納付書または口座振替で納めます。

※対象となる方は、年金額が年額18万円未満の方、または介護保険料と後期高齢者医療保険料の合算額が年金受給額の1/2を超える方です。

※75歳になって、新たに後期高齢者医療に加入された方。

(2)特別徴収

年金から天引きされます。

※事情により、一時的に納付書で納めていただく場合があります。

*特別徴収(年金からの天引き)から口座振替への変更が可能です

普通徴収を希望される方は、申請により口座振替に変更することができます。お住まいの市町村の担当窓口にお問い合わせください。

ただし、納付状況などにより、口座振替に変更できない場合があります。

仮徴収(所得確定前の徴収)

特別徴収は、年金支給月(4月・6月・8月・10月・12月・2月)に、支給月分と翌月分の保険料が天引きされますが、当該年度分の保険料は前年中の所得が確定する6月以降に決まるため、4月・6月・8月については、前年度2月の保険料額と同額を徴収します。10月・12月・2月は、決定した当該年度の保険料額から仮徴収した金額を差し引いた残りの金額を分けて徴収します。

 

6. 未納者への対応

市町村が保険料の納付に関する相談や督促等を行います。

広域連合は、保険料を滞納している被保険者が、その保険料の納期限から1年を経過するまでの間に納付しないときは、被保険者証の返還を求めるものとされており、被保険者証が返還されたときは、「被保険者資格証明書」を交付します。
ただし、高齢者が必要な医療を受ける機会が損なわれることのないよう、「被保険者資格証明書」は原則交付しないこととされていますが、被保険者間の負担の公平・公正を図るため、また滞納者に保険料の納付を働きかける機会を確保する観点から、有効期限の短い被保険者証(短期証)を発行することがあります。

 

7. 保険料の減免

災害などにより住宅や家財などに著しい損害を受けたり、事業の廃止などにより収入が著しく減少したりして、保険料を納めることが困難な状況のときは、申請して認められると保険料が減額または免除となります。

手続き

申請書に減免を受けようとする理由を証明する書類を添付して、お住まいの市町村の担当窓口に申請してください。

→ 保険料減免申請書および保険料減免事由消滅申告書の様式は、申請書書式ダウンロードのページにあります。

添付書類の例

減免の事由 添付書類
災害により、住宅や家財に著しい損害を受けたとき ・罹災証明書
・被災割合を証明する書類など
災害救助法が適用された地域から避難のため転入し、保険料の免除申請をするとき
世帯主が死亡または長期入院したことにより、収入が著しく減少したとき ・当該年中の所得金額が確認できる書類
・長期入院の場合は医師の診断書
・失業の場合は雇用保険受給資格など
・事業廃止の場合は廃業届
・無職を証明する書類など
事業の休廃止などにより、世帯主または被保険者の収入が著しく減少したとき
干ばつ、冷害、凍霜害などにより、世帯主の収入が著しく減少したとき
被保険者が高齢者の医療の確保に関する法律第89条の規定による療養の給付等の制限を受けたとき ・在監証明書またはこれに準ずる証明書

注意事項

  1. すでに納付していただいた保険料(前納分を含む)は還付しません。
  2. 次年度にわたる場合は、再度申請が必要です。

 

8 . 保険料が不足する場合への対応(財政安定化基金)

広域連合において、予定した保険料収納率を下回って生じた保険料不足や、予想以上に給付費が増えたために生じた財政不足を補うために、県に設置されているのが財政安定化基金です。
財源は、国、県、広域連合が1/3ずつを負担し、広域連合は、県の条例で定められた拠出率をもとに算出した「財政安定化基金拠出金」を県から徴収されます。
財政安定化基金には、交付事業と貸付事業があります。

(1)交付事業

財政運営期間(2年)を通して、予定した収納率を下回ることによる保険料不足(①)が見込まれ、かつ見込みを上回る給付費増(②)が見込まれるとき、財政運営期間の最終年度に①の額の1/2に相当する額が交付されます。
ただし、①の額が②の額を超えるときは、②の額の1/2に相当する額が交付されます。

(2)貸付事業

財政運営期間(2年)の各年度を単位として、収納率の低下による保険料不足額や給付費の増大による財政不足額について無利子で行われます。
貸付額は、毎年度、財政不足分の1.1倍を限度とし、償還期間は、次期財政運営期間となります。